第240回 エピローグ……20年間の連載を終えて

さて、20 年間にわたる連載もついに最終回を迎えました。今月は番外編として、この20年を振り返ってみたいと思います。

この連載を始めることになったのは、前編集長Oさんからのお誘いでした。この連載を始めた半年ほど前、弊社が会員さん向けに配布していた月刊「くりっく」という小冊子がOさんの目にとまったのがきっかけでした。 「くりっく」は21 号で終了しましたが、その中でパソコン情報や操作のヒントなどを紹介し、コラムも書いていたので、連載の執筆活動は月刊新松戸さんのほうへ自然に移行できたというわけです。いま思えば、じつにラッキーでした。

20 年前の1998 年当時、パソコンはざっくりと分けて3種類ありました。IBM のハードとMicrosoft のソフトで開発されたWindows パソコン、Apple 独自のMacintosh、それにNEC の98シリーズです。国産で最後まで奮闘したNEC のキュウハチも世界の潮流には勝てず、数年後には撤退しました。私はこの3つのパソコンをサポートするビジネスを始めていたのです。

コラムでは、種々のパソコンについて触れてきましたが、極力、特定の機種やメーカー、ソフトに限定しないよう心がけました。ただ、Word / Excel などの重要ソフトは特別でした。こんな優秀なソフトを考案し開発した天才たちには、ただただ感服です。ネットワークや
それを使ったシステムもしかりです。

IT 時代のパイオニアは大勢いて尊敬していますが、もし私がビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズに勝てるものがあるとしたら、それは、このコラムで頻繁に触れてきたように、パソコンユーザーの末端の現場、つまり初心者の不安や悩みが分かるという点でないかと思っています。

240 回にわたる連載の中には駄文もあったかと思いますが、1枚の音楽アルバムの全曲がすべて素晴らしい訳がない…と考えてお許しください。でも、自分でこれは秀逸な内容だと自慢できる回もいくつかありました。例
えば、「悪いのはあなたではなく、100% パソコンですよ!」「あなたの死後、ネット上にあなたが存在する世界」「パソコンの終活を考える」「健康が一番、加齢とパソコンライフ!」などです(バックナンバーはsohc.
co.jp にありますので、どうぞ!)。

えっ、240 回書き続けた連載をやめる理由ですか? それについては、来月、このページでお話ししたいと思います。

長い間、ご愛読ありがとうございました。

月刊新松戸2018年6月号 第239回 パソコンが壊れない時代へ (完)

先月号の続きになりますが、パソコンが売れなくなってきたという背景には、ユーザにはありがたいことですが、パソコンが壊れなくなってきて、寿命が延び、買い替え需要が減っているということがありそうです。

パソコンの品質が向上したというよりも新しい規格のパーツに置き換わってきていることも要因のひとつでしょう。例えばハードディスク(HDD)は壊れやすいパーツの筆頭でしたが、それが故障率の低い半導体のディスク(SSD)に置き換わりつつあります。また、周辺機器との接続も安定したUSBが主流となったこともあるでしょう。また、Windowsやアプリなどの不具合によるソフト的な修理も減ったとはいえ、少なからずまだあります。

拡張性に優れ高性能化も可能なデスクトップPCがまだ主流だった5年ほど前ころには、パソコンの修理は容易なことが多かったです。交換可能な、つまり入手可能な汎用的な部品で構成されていたからです。また、その頃のノートPCについても、まだ汎用的なパーツが使用されていたので修理は可能な場合が多かったです。そして次第に時代は変わり、ノートPCがデスクトップPCの性能と遜色なくなってきました。さらに一体化PCと呼ばれる、モニターと本体が一体になっていて構造的にはノートPCに近いものが人気になってくるとデスクトップの存在価値が大きく下がりました。そして、ノートPCは、ますます小型化し汎用部品は使われなくなり、さらに、分解修理が非常に困難な構造になってきたのです。

という経過で、我々のようなパソコン修理業者には辛い時代になりました。話が飛躍するかもしれませんが、虫歯や歯周病にならないための画期的な予防策が開発された暁には、大半の歯医者さんはなくなる、ということと似ているかもしれません。便利になることは、不要な職が出てくるということですね。

さて、突然ですが、今回が最終号となることをお伝えしなければなりません。98年4月に連載開始しましたが、諸般の事情で20年間の連載にピリオドを打つことになりました。長い間ご愛読ありがとうございました。駄文もあったかとは思いますが、中には参考になるような記事もあったのではと自負しています。バックナンバーは当店サイトにありますのでどうぞ。http://sohc.co.jp/

最後に、皆様のパソコンライフがますます快適になるように願っております。そして、毎回くどいようですが、大事なデータは必ずバックアップを取ってくださいね。あなたの操作ミスもありますし、タイトルと矛盾するようですが、あなたのパソコンは今日にも壊れるかもしれないのですから(^-^;

月刊新松戸2018年5月号 第238回 パソコンが売れない時代へ

この2,3年ですが、当店でもめっきりパソコンが売れなくなりました。ノートはまだしも、家庭用にはデスクトップパソコンはもはや魅力がないようです。その原因を究明しようと、「パソコン 売れない」でキーワード検索してみました。なるほどと納得できる理由も多く、結局、ITやAIと呼ばれる時代へ急速に変化した必然の結果なのでしょう。

スマホ以前の携帯とパソコンが共存していた頃はまだよかったのですが、スマートフォン(以下スマホ)やタブレットの普及がパソコンのシェアを奪ってきたということです。また、パソコンがなくてもスマホで十分に足りるという現実があります。若者には顕著のようですが、ネット検索とメール、そしてライン、フェイスブック、ツイッタ、インスタグラムなどのSNSの発信や閲覧だけならばスマホで十分だからです。また、少々高価なパソコンを購入するだけの余裕のない購買層も広がったのかもしれません。

スマホやタブレットの優位な点を整理しますと、ほぼ出来ることは同じであるのに、パソコンの弱点である価格、重さ、携帯性などを解決した製品だということです。しかも、ハードもソフトも非常に壊れにくいので修理いらず!ということなのです。

パソコンでないと処理できないことは、プログラミングやグラフィック処理、動画編集などの制作など、もちろんたくさんあります。そういう創造的な(クリエイティブな)作業にはパソコンが不可欠ですが、それ以外の多くは閲覧であって、スマホやタブレットで十分可能となっています。つまり、モバイル化、クラウド化で状況が一変したわけです。

さて、パソコンが売れなくなってきているという現実は、残念ながら当店のパソコン修理サポートにも影響が大なのです。端的に言うと、需要が大きく減ってきているということです。修理に関しては、ハードディスク、メモリー、光学ドライブなどの部品の故障交換の件数が大幅に少なくなってきています。また、Windowsやアプリなどのソフトの不具合による修理はまだまだ定常的にあるのですが、以前にあったある種のウイルス感染の蔓延やWindowsの更新時の不具合などでお店が大繁盛!という非常にアリガタイ状況も減りました。セキュリティソフトがずいぶんと普及してきているし、Windowsもきっと完成度が上がってきているからなのでしょう。

また、ソフト指導やコンサルなどのサポートも同様です。22年前にこのビジネスを始めた当初は連日の盛況でしたが、現在では激減しています。友人、知人同士で教えあって解決しているのでしょう。(次号に続く)

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バックナンバーはこちらにあります。たっぷり20年分あります。
http://pclife.shin-matsudo.com/

月刊新松戸2018年4月号 第237回 大事なデータのバックアップ方法について

今回で連載20年となりました。そして、ほとんど毎号のように、データのバックアップの必要性について触れているかと思いますが、今回は少し具体的な方法についてです。

パソコンで仕事をする人は特にですが、パソコンはいつ壊れてもいいように、大事なデータの保全を考えておく必要があります。病状で例えると、少しずつ動きがおかしくなる場合(発病)の他に、突然動かなくなる場合(即死)も実際にあるのです。実際、当店に来院する時点ですでに仮死状態で、すぐにデータの回収作業(蘇生)に入ることもあります。

データファイルは、通常ハードディスクの中にあるドキュメントやピクチャーという名前のフォルダに保存されますが、それらを別のメディアに(わかりやすい言葉で)コピーすることがデータのバックアップです。それには、次の3つのレベルがあると思います。

ひとつは、ハードディスクをそっくり別のハードディスクに複製を作ることです。これをクローン作成とも言いますが、壊れたハードディスクと交換すれば、またすぐに同じように使用できるという利点があります。ただ、専用の装置が必要ですし、特殊な用途です。

つぎに、バックアップソフトを使ってハードディスク全体を別のメディア(ハードディスクなど)に丸ごとバックアップすることです。イメージバックアップとも言いますが、壊れた時には、復元ツールで戻すことができます。WindowsやMacに標準装備のバックアップ機能も使えます。

最後に、これはいわゆる日々のバックアップです。Word/Excelなどで作成した大切なファイルや貴重な写真などの特定のファイルを他のメディア(CD、DVD、SD、USBメモリー、外付けHDDなど)にコピーすることです。多量の場合には、バックアップユーティリティソフトを利用するのもよいですが、特に大事なものは作成中の数個のファイルでしょう。作成済みのものは他人に送ったり広く配布したりして、どこかで誰かが保存してくれている可能性がありますが、仕掛かり中のファイルだと自分の手元にしかないわけです。そういう最重要ファイルは、私は退社時に、他のハードディスクに転送したりUSBメモリーに保存したり、自分宛てのメールに貼付したりと二重三重でファイル消失を防ぎます。

余談ですが、逆に残したくない個人的なファイルはどうしましょうか。もしも自分に何かがあった時には消したいものです。しかし、その絶妙なタイミングで対処するというのはなかなかの難題です。また、ファイルをゴミ箱に捨てて空にしただけでは復元可能なので、物理的に破壊するのが一番よさそうですが。

月刊新松戸2018年3月号 第236回 今まで何回くらい引越しされましたか? とても面倒ですね。

今月後半から来月にかけては引越しのピークのようですが、皆さんは引越しを何回されましたか? 私は数えると丁度20回でした。ほぼ3、4年おきに引越ししていることになります。これはもちろん家の引越しのことですが、パソコンの引越しも大変なものです。確かに体力は必要としませんが、その代わりに根気が必要かもです。私の場合は10数回でしょうが、やはり3、4年おきに、つまり新しいWindowsが出る毎にパソコンの引越しをしているのではないかと思います。

パソコンの引越しは、乗り換えでもあります。今までの長年蓄積した写真や文書データを移すことだけではなく、ソフトをインストールし直したり、メール設定をしたり、ネット接続、プリンター接続など今まで使っていた周辺機器を繋いだりと、前の状態も移行する必要があります。ドキュメントフォルダなどに保存してあるファイルの移行はいわゆるコピーですので、時間はかかりますが簡単な作業です。しかし、メールの送受信データや音楽データなどは知識がないと難しいかもしれません。なお、ソフトは単純なコピーでは移行できないので再インストールが必要です。

引越しは面倒で大変ですが、新しい住まいは新鮮に感じるものです。パソコンの場合、たいていは新しいWindowsだと思いますが、やはり新鮮だと思います。人によっては、また新しいことを覚えなくてはならないと億劫に思うのですが、使い始めると意外とすぐに新しい画面や操作方法に慣れるものです。

以下は、引越し時の注意点です。
・新しいパソコンでは、元のソフトがそのまま動くとは限らないのでメーカに確認すべきかもしれません。無料のアップデートかバージョンアップが必要となるか、または場合によっては買い直しとなるかもしれません。

・古いパソコンを処分する時には、個人情報満載のハードディスクを破壊する必要があります。(当店では無料で行っています。)ファイルをゴミ箱に移動し消去しても、またハードディスクを初期化したとしても、データは比較的簡単に復活できてしまうからです。

・多量のゴミまで一緒に引越しするのは賢くないでしょう。ディスクは大容量になってきたとはいえ、日々のファイル整理や断捨離は大事なことですね。私も含めモノを捨てられない世代にはかなり難しいことですが・・・。

さて、私事ですが先月引越しをし、2年ぶりに新松戸に戻って参りました。パソコンPハウスの方は、この16年間ずっと現在地で営業しておりますので、引き続きよろしくお願いします。パソコン購入時の初期設定やデータの移行など(引越し)もお任せください。

月刊新松戸2018年2月号 第235回 パソコンの基本で意外と知られていないこと

日々の修理や相談でのお客様との会話の中で、時折、それは誤解かな、と思うことがありますので、少し紹介しておきます。

1:ノートPCのバッテリは外してもいい
意外と知らない人が多いのですが、持ち運ぶ必要のない人、ずっと据え置きで使っている人はバッテリを外しておいても問題ないのです。それはバッテリの寿命にとってはよくないのですが、一切使わない人にとっては、重たくて不要なものです。唯一のデメリットは使用中の停電です。メリットは、何かとニュースになるバッテリ発火の危険から解放されることです。スマホ用などのモバイルバッテリなども発火の危険があるので心配ですね。

2:ディスプレーは、単に映しているだけ
昔はよく誤解されていたのですが、デスクトップPCのディスプレー(モニター)を“パソコン”だと思っている方がいました。ただ、今でもパソコンを使用中は、モニターの電源も必ず入れておく必要があると誤解されがちです。モニターは通常パソコンの表示だけを行うものですので、長時間離席するときには、昔のブラウン管モニターほどではありませんが、電源を切っておくと省電力となります。

3:マウスやタッチパッドは、必ずしも操作に必要なものではない
市販されている多くのソフトは完成度が高く、Windowsのすべての操作はもちろん、Word/Excelなどでもマウスなしで問題なく操作可能なのです。つまりキーでの操作方法を習得すると、いちいちキーボードから手を放してマウスに持ち替えることがなくなり、特に繰り返しの多い操作には非常に便利です。

さて、これらの例でも分かるかもしれませんが、パソコンには入力されるものと出力するものがあり、その入出力装置の区別を意識し整理しておくことが、パソコンの理解を深めることになるでしょう。装置のことはデバイスとも言いますが、入力デバイスには、マウス、キーボード、カメラ、スキャナなどがあります。出力デバイスには、モニター、スピーカー、プリンターなどがあります。ただし、タッチパネル付きモニターは入力でもあるし、プリンターは印字出力だけでなくインク残量などの情報が入力もされます。他に、USBメモリ、外付けハードディスクなどのストレージデバイスやネットワークは、双方向にデータ通信するデバイスです。

これら入出力デバイスの間で、様々な複雑な処理をしているのがパソコン本体です。入力デバイスから入った情報が、パソコン本体で処理をされ、その結果の指示が出力デバイスに働きかけ、表示する、鳴らす、印字するなどの動作を行うのです。